住み替えを検討していたMさま。マンションや賃貸も考えていたものの「広い方がいい、プライベートな庭もほしい」という思いがあり、「一軒家なら実現できる」と考えるように。参考までに足を運んだ吉島展示場では、各メーカーの家を納得できるまでじっくり見て回ったと振り返ります。その中で、担当の田本氏の人柄を気に入ってくださり、再度訪ねた際に土地の情報も提供してもらえることを知り、依頼。

都会的な雰囲気のMさまに、当初は都心を中心に紹介していたものの、仕事では車で郊外に行くことが多いと知り、今の土地をご提案。広さも十分で、外部の目線を遮断しつつ中に大きく開くプランも実現しやすいことから、Mさまの希望を実現する家づくりがスタートしました。

最初は一つの空間で考えていたというリビングは、ちらりと覗くセカンドリビングを設けることで、逆に奥行きを感じさせるという提案が活きたもの。
扉を設けず繋がりを持たせながら、シーンごとに必要な空間のメリハリが生まれています。

ゲストを感動させるエントランス

外観はシンプルなモノトーンのキュービックでありながら、一歩踏み入れると、一般的な「家」のイメージを覆す空間の連続に驚かされるMさま邸。その感動は、玄関に一歩足を踏み入れた時から始まります。

正面には大きなガラス窓があり、その向こうのグリーンと景色が、時間ごとに色を変える額縁のように。右手には、キューブ状の飾り棚がオブジェのように宙に浮いた形で。左手には壁のデザインニッチが間接照明で美しく浮かび上がります。このデザインニッチは、設計の平谷氏と施工担当の大工さんの苦心作。

「ただの壁では面白くないから何か考えてほしいとご要望されて。飾り棚は別にあるので、機能よりもデザインを重視したニッチにしてみようと、あれこれ図面を引きながら考えました。壁の厚みの組み合わせと照明の埋め込み方は、見た目以上に大変な作業でしたが、熟練の大工さんの技術で実現できました」と設計を担当した平谷氏。

中庭は外部の目線から遮断されているため、カーテンを必要とせず、大型の窓からたっぷりの光と風を取り込みます。
エントランスに続くドアの高さに合わせて天井高を下げた部分のクロスのカラーを変えることで、白一色より飽きさせないデザインに。
玄関入ってすぐの右手には、季節飾りや花を置く飾り棚を。キューブが宙に浮く形で設置されており、現代アートの美術館のよう。

空間がどこまでも広がっていくようなLDK

エントランスを抜けると、17.5帖の広々としたリビング。奥には独立したセカンドリビングが覗き、その隣にはダイニング、キッチンから水廻りへと続いていきます。左手の大きな窓の向こうには、続き間のような中庭。圧迫感を感じさせないスケルトン階段の上は2Fのホールへと、どこまでも繋がり、広がっていく空間に圧倒されます。

「広い部屋にしたい」との要望に応えるのに、ただ一つの大空間を作ることには限界があるけれど、壁や扉で仕切らない空間を繋げることでより広さを感じさせることができると実感。構造上の段差をデザインに見立てたクロス使いも秀逸です。

プライベートガーデンである中庭では、お天気のいい日は日光浴、休日のビール、友人とのバーベキューなど、使い勝手も思いのままに。
ダイニング側の窓はフルオープンにして、シャッター網戸だけ閉じることも。
スノコのデッキにするなど、いろいろな案が出た中庭は、最終的にコンクリートと玉砂利、人工芝でデザイン。
室内の床と高さを合わせるのは、排水設計などになかなかの技術を要したとか。
人工芝の角が実は東西南北に合わせてあるのは、田本氏と平谷氏の密かなこだわり

暮らしの中心に中庭を据えて

間取りのポイントは、暮らしの中心に据えた中庭。外部の目線から遮断されたプライベートガーデンが、各部屋に繋がりをもたらし、光と風を取り込みます。リビングサイドは「できるだけ大きい窓」にしたいとの要望を受け、センターに最大クラスの一枚ガラスを据えた両開き窓に。ダイニングサイドはフルオープンできるタイプで、ホームパーティーなどの際には広く活用できます。

「広い部屋にしたい、すっきりさせてあまり生活感を感じさせたくないなどの要望は伝えて、あとはなるべくプロの皆さんに任せるようにしたら、友人たちからも『格好いい』と好評で満足しています。田本さんの心遣いや、平谷さんの提案、コーディネーターの野津さんのセンス、工事の職人さんの技術、どれもプロの仕事で感心しました」

生活感を感じさせないものに、とのご希望で、キッチンもすっきりしたデザインをチョイス。
生活の始まった部屋で、改めて建築当時のことを振り返る。
(左から)設計の平谷氏、施主のMさま、営業の田本氏、コーディネーターの野津さん。